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歯科インプラントとは正確に何ですか?

歯の治療方法の1つに「歯科インプラント」がありますが、
歯科インプラントが正確にどんなものか分かっていないケースも少なくないです。

そこで歯科インプラントとは正確にどんなものなのか、
どういったメリットがあるのか、危険性はないのかなどを詳しく見ていきましょう。

歯科インプラントとは正確に何ですか?

歯科インプラントは、「虫歯や事故などで失った歯の代わりに人口の歯(義歯)を
装着して機能を補う治療法」のことです。
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-01.pdf)

この説明だけだと「入れ歯」や「ブリッジ」と同じになってしまうので、
もう少し具体的に説明します。

入れ歯やブリッジは簡単に言うと、
歯を失った部分に義歯を被せることで機能を補います。

それに対して歯科インプラントは、顎や顔の骨に人口の歯根を埋め込み、
その人口の歯根に義歯を装着するのです。

入れ歯・ブリッジと歯科インプラントの最大の違いは「歯根の有無」です。

歯根が無い入れ歯やブリッジは噛み心地が自分の歯と違うので、
食事の際に違和感があります。

しかし歯科インプラントでは歯根も作るので自分の歯に近い噛み心地となり、
食事で違和感を覚えないのが最大のメリットです。

ちなみに「インプラント」は「移植」「埋入」という意味で、本来は
 ・人工関節
 ・ペースメーカー
など体内に埋め込まれる医療用人工物の総称です。

人工歯根を埋め込む治療は正確には「歯科インプラント」なのですが、
一般的には「インプラント=歯科インプラント」として理解されています。

入れ歯やブリッジとの違い

失った歯の治療法としては「入れ歯」や「ブリッジ」もありますが、
先にも書いたように歯科インプラントとの最大の違いは歯根の有無です。

入れ歯は、義歯に付いている金具を歯が失われた部分の両隣にある歯に
引っかける形で装着します。

金具を装着する自分の歯が無い場合は、
歯茎を模した土台に義歯を埋め込んだ総入れ歯を装着することになります。

部分入れ歯は金具で引っかけているだけ、総入れ歯は被せているだけなので
安定しておらず、強い力で噛むとズレたり外れたりする恐れがあるのです。

また義歯と歯茎の間に食べ物が詰まりやすく、詰まった状態で噛むと痛みを
感じますし、ブラッシングの際には外さないといけません。

部分入れ歯を装着している部分によっては、
口を開けると金具が見えて入れ歯をしていることが他の人に知られてしまいます。

ブリッジは、
歯が失われた部分の両隣の歯を削って上から義歯を被せる形で装着します。

一見しただけではブリッジを装着していることは分かりにくく、手入れもフロスや
歯間ブラシを使うものの一般的なブラッシングとそれほど変わりません。

ただ歯を失った部分には歯根が無く義歯を被せているだけですから、
噛む力は自分の歯よりも弱くなってしまいます。

健康な自分の歯が残っていないとブリッジを装着することができません。

またブリッジを装着するためには健康な自分の歯を削らなければならず、
健康な歯への負担が大きくなります。

歯科インプラントは顎や顔の骨に人工歯根を埋め込み、
その人工歯根に義歯を装着します。

引っかけたり被せたりしているわけではないので見た目にも違和感が無く、
歯根があるので強く噛むことも可能です。

歯科インプラントのために他の健康な歯を削ることはないので、
他の健康な歯への負担もほとんどありません。

歯科インプラントにもデメリットはある

強く噛めて見た目にも違和感が無く、他の健康な歯への負担も少ないとなると、
入れ歯やブリッジよりも歯科インプラントを選びたい人は多いはずです。

しかし現状では歯科インプラントにも少なからずデメリットあり、
歯を失った場合の「ベストな治療法」とは必ずしも言えないこともあります。

治療費が高額

歯科インプラントの最大のデメリットと言えるのが「高額な治療費」です。

入れ歯やブリッジは保険適用で3割負担なのに対して、
歯科インプラントは保険適用外のため全額自己負担となります。

一番リーズナブルなのは入れ歯で、入れる場所や義歯の素材によっても変わりますが、部分入れ歯なら1本5,000~10,000円程度です。

総入れ歯も土台となる部分や義歯の素材によって治療費が変わるものの、
2~3万円台で収まるのが一般的です。
(素材によっては1万円台で収まることも)

ブリッジは入れ歯よりも高額ですが、
保険適用で1本2~3万円といった治療費になります。

歯科インプラントにかかる治療費は1本30~40万円ぐらいで、
複数入れるとなると軽自動車が余裕で買えるぐらいの金額になってしまいます。

保険適用で3割負担だとしても1本10万円を超えてきますから、
入れ歯やブリッジよりも高額です。

人工歯根や義歯にかかる費用は5万円ぐらいで収まりますが、
人工歯根を埋め込む手術が必要なので手術代が嵩みます。

歯科インプラントをしたいけど費用の問題で断念する、
といったケースも少なくありません。

歯科インプラントでも保険が適用されるケースがある

歯科インプラントは審美歯科的治療の側面が強いため
現状では保険適用外となっていますが、保険が適用されるケースもあります。

歯科インプラントで保険が適用されるのは
 ・病気や第三者起因の事故で顎の骨を広く失った場合
 ・先天的に顎の骨の3分の1以上が欠損もしくは形成不全の場合
の2ケースです。

かなり限られたケースではあるものの、顎の骨を失っている場合は
保険が適用されることもあるので医療機関に相談してみてください。

歯科インプラントはコスパが高い

歯科インプラントは保険適用外で治療費は高額ですが、
コスパは入れ歯やブリッジよりも高くなる可能性があります。

定期的なメンテナンスを怠らなければ、
顎や顔の骨に埋め込んだ人工歯根は半永久的にもちます。

入れ歯やブリッジは長くても7~8年程度で交換しなければなりません。

入れ歯やブリッジを支える歯を失ったり、
歯茎が痩せたりするともっと早い段階で交換が必要となります。

短期的に考えると歯科インプラントはかなり高額ですが、基本的に交換不要なので
長期的にみると入れ歯やブリッジよりもコスパが高いのです。

治療期間が長い

歯科インプラントのもう1つの大きなデメリットが「治療期間の長さ」です。

入れ歯の治療期間は、作るのに時間がかかる総入れ歯でも2~3か月、
部分入れ歯だと2週間から1か月程度となっています。

最近は部分入れ歯であれば、数時間で作って、
その日に入れてもらえるケースもあります。

ブリッジは義歯を作るのに半月程度かかりますから、
治療期間は一般的に1~2か月程度、早ければ2週間ほどです。

歯科インプラントの治療にかかる期間は、
平均で3か月から1年程度となっています。

人工歯根を埋め込む手術や義歯を装着する治療はそれぞれ1日で終わりますが、
手術前に口腔内が手術に耐えられる状況であるかを確認しなければいけません。

レントゲンやCTを撮影したり、口腔内模型を作って状態を把握して
治療方針を決めるだけで半月ほどかかります。

また人工歯根を埋め込んでもすぐに義歯装着はできず、
人工歯根が顎や顔の骨に定着するまで3~6か月ほど待たないといけません。

誰でも歯科インプラントができるわけではない

失った歯の治療法として歯科インプラントが選択できないケースもあります。

人工歯根を顎や顔の骨に埋め込むので、
骨粗しょう症で骨密度が低い場合には人工歯根を埋め込む手術ができません。

骨造成によって骨密度を上げる方法もありますが、
治療期間がさらに長くなってしまいます。

「歯周病」に罹患している場合も、歯周病に顎の骨の健全さが失われる恐れが
あるため歯科インプラントの手術ができません。

もちろん歯周病を治療すれば可能ですが、その分治療期間が延びます。

糖尿病や腎疾患は口腔内の感染リスク、高血圧は術中・術後の出血リスクが
高いので歯科インプラントができない可能性が高いです。

これらの持病は症状が安定すれば歯科インプラント可能となりますが、
担当医との相談が必要でハードルが高くなります。

また妊娠中は母子への影響を考慮、18歳未満は骨の成長を阻害する恐れが
あるため歯科インプラントは推奨されません。

まとめ

歯科インプラントは「病気や事故などで失った歯の代わりに義歯を装着して
機能を補う治療法」のことです。

入れ歯やブリッジと違って人工歯根を埋め込みますから、
他の健康な歯への負担が少ないです。

ただ治療費が高額などデメリットも少なくないので、失った歯の治療法として
歯科インプラントを検討する際は歯科医にしっかり相談してください。

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